心理学者の河合隼雄氏の書作はどれもおもしろいです。
硬いものから柔らかいものまで著作多数。
疲れたり困ったりしたとき、
気が付けば手に取ってしまうのがこちらの本。
「こころの処方箋」 河合隼雄著 新潮社
読みやすいエッセイ形式ですので、さらさら読めますが、
なんといいますか、しっかりしたものが残るんです。
「己を殺して他人を殺す」
「ものごとは努力によって解決しない」
「100点以外ダメなときがある」
「イライラは見とおしのなさを示す」
書かれていることは、
誰もがそうだよねと納得する、いわゆる常識ですが、
その常識があまり知られていない時代ではないかと、
ご本人はあとがきで書かれております。
1988年~1991年にかけて執筆されたものですが、
まったく古さを感じさせない、優しく厳しい本です。
いつも読んだ後は、
しょうがないよねと諦めてみたり、
とにかくやるだけはやってみようかとか、
それなりの気持ちになって落ち着くのでした。